残るもの


モリー先生との火曜日』。良い本でした。大学時代の恩師との16年振りの授業。病気によって少しずつ死に近付いていく先生ですが、健康で若い他の誰よりも自由で穏やかな心を持っています。


「人間は、お互いに愛し合える限り、またその愛し合った気持ちを覚えている限り、死んでも本当に行ってしまうことはない。作り出した愛は全てそのまま残っている。思い出は全てそのまま残っている。死んでも生き続けるんだ―――この世にいる間に触れた人、育てた人全ての心の中に」/モリー先生


子どもの中には、色んな思い出と一緒に親の価値観や行動パターンが少なからず残っているものやと思います。「何か最近親に似てきた」ということが、私にもあるしきっと私の親もそうでしょう。親の親もそうでしょう。


10代前のご先祖さんが一体どんな人生を送った人なのか、どんな人柄だったのかなんて全く知りませんが、その人の価値観やら何やらはその子どもに少しは伝わって残っているはずです。その子どもの、そのまた子どもにも、私にも。で、私の価値観やら何やらもずーっと先の人たちの中にちょびっとは残っているんやないかと思います。


私がどんな人間やったかっていうことは間違いなく忘れ去られるけど、10代先の人の中に私が少しでもあるって凄いことやな、めっちゃ長生きやん、なんて思います。子どもや周りの人たちには、出来るだけ沢山の愛情とか楽しい気持ち、優しい気持ちを残していきたいもんです。