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幸福といふものはたわいなくっていいものだ。
おれはいま土のなかの靄のような幸福に包まれてゐる。
地上の夏の大歓喜の。
夜ひる眠らない馬力のはてに暗闇のなかの世界がくる。
みんな孤独で。
みんなの孤独が通じあふたしかな存在をほのぼの意識し。
うつらうつらの日をすごすことは幸福である。
この設計は神に通ずるわれわれの。
侏羅紀の先祖がやってくれた。
考へることをしないこと。
素直なこと。
夢をみること。
地上の動物のなかで最も永い歴史をわれわれがもってゐるといふことは
平凡ではあるが偉大である。
とおれは思ふ。
悲劇とか痛憤とかそんな道程のことではない。
/「ごびらっふの独白」 草野心平
重松清の『青い鳥』を読んでいたらこの詩の一部が引用されていたのでちょっと
調べてみた。カエルの独白なのです。
幸福ってのはたわいないことが一番で。
考えることをしないこと。
素直なこと。
夢をみること。
好きだなと思いました。こういう人が好きやし、自分もそうありたいな。
考えるのって私結構好きやけど、ここでの「考える」って余計な理屈とか多分そういうことなんやろな。