「人間はどんな時でも未来を感じられるんだよ。
どんなに短い人生でも、たとえほんの一瞬であっても、生きているという実感さえ
あれば未来はあるんだよ。あんたにいっておく。明日だけが未来じゃないんだ。
それは心の中にある。それさえあれば幸せになれる。
それを教えられたから、あんたのおかあさんはあんたを産んだんだ。
それをなんだ。あんたはなんだ。文句ばっかりいって、自分で何かを勝ち取ろうともしない。あんたが未来を感じられないのは誰のせいでもない。あんたのせいだ。
あんたが馬鹿だからだ」                        

東野圭吾『トキオ』より



不治の病の息子が最期を迎え、息子は若い頃の父親に会いに行き。
過去と現在の交錯する青春物語みたいな。
本を読んで面白いと思うかどうかは
設定とか文章の力もあるけど結局描かれている人物の深さにあるなあ。
東野さんは本も分厚いけどお話も分厚い。