安房直子のお話は何度でも読み返したくなる。
竜やら魔女やら剣士やらが登場するファンタジーよりも、日常にほんの少し
知らない世界が顔を出すファンタジーの方が何だか浮き立つ。
柏葉幸子とか茂市久美子とかもそんな感じ。
手芸品店に黒猫がマントの裏地を買いに来たり、料理が苦手な若奥さんの所に
うさぎが夕食配達サービスにやって来たり。
有り得ないけどあったらいいなと思う世界。
こういうお話は書いている人によって、すんなり世界に入れるものと胡散臭さ
が鼻につくものが。
多分、子どもに言い聞かせる様に書かれたものは、胡散臭い。
受け手の人に迎合したものは不思議と逆に受けず。
作者自身が楽しい様に書かれたものは、なぜか読む方にとっても自然に楽しい
ものになっている気がします。
きっと創作物は何でもそうなのでしょう。