「だって思い出がいっぱいあるでしょ?家族の思い出が。
つまんないことでいいのよ。靴を買ってもらっただとか、今夜は何食べようって
言っていっしょに買い物に行ったとか、お父さんとお母さんがけんかして仲直り
したとか、いっしょに台風を見たとか、みんなで食あたりになってお粥食べただ
とか、くだらなければくだらないほどすばらしいのよ。
あとになってみるとね。
どうでもいいことやくだらないことがいちばん強くてあったかくて、深刻なこと
とか理屈なんて大切なように思えても、そういうちっちゃい思い出に比べたら、
全然へなちょこなのよ」


――――よしもとばなななんくるない』より



いつも色々頑張ってなきゃと思いがち。ちゃんとしてなきゃと。
結構自分を律する方。でもそれはしんどい。
元気ない時はほにゃっとしてたい。何かして元気出す方ではなくて、何もせず
にのんびりしてたい方やし。色んなことがゆっくり。よく考えてから動くから
行動遅いし。何かの発起人になることはまず無くて、発起されたことを楽しむ
のが好き。他の人の楽しそうな顔とか脇で見ながら、自分もそこで楽しむのが
好き。そういうのって受動的であかんのかなあと思ってたけど
私はそういうテンポの人間なんやからしょうがないな、それでええやんな、
とか思いました。沖縄が舞台の短編集。