今日はNHK星野道夫さんについての番組がありました。
彼の写真と文章は静かだけれど力強い。
あと夏のさだまさしコンサートも放送されてました。
今年で最後だったこのコンサート。BEGINや加山雄三や沢山の人。


「毎年夏に一度家族で音楽を聴きに行く、ただそれだけのことを出来なくさせる
のが戦争です。その機会を無くさないでほしい」みたいなことをさださんが話さ
れてました。
ごく普通の歌をごく普通に聴けるということ。
ごく普通に友達と遊べるということ。
ごく普通に家族と暮らせるということ。
普通の生活以上に幸せなことってない。
スポーツが出来るっていうのも平和やと思うな。オリンピックとか。
オリンピックに出るには自分の体をストイックに鍛えたり一日十何時間も練習
しないといけない。スポーツのことだけ考えられる状況じゃないと無理。
オリンピックに出られるか出られないか、その国の平和に左右される。





「やがてぼくは北海道の自然に強く魅かれていった。
その当時、北海道は自分にとって遠い土地だった。多くの本を読みながら、
いつしかひとつのことがどうしようもなく気にかかり始めていた。
それはヒグマのことだった。
大都会の東京で電車に揺られている時、雑踏の中で人込みにもまれている時、
ふっと北海道のヒグマが頭をかすめるのである。
ぼくが東京で暮らしている同じ瞬間に、同じ日本でヒグマが日々を生き、呼吸
をしている。
確実にこの今、どこかの山で、一頭のヒグマが倒木を乗り越えながら力強く
進んでいる。そのことがどうにも不思議でならなかった。


――――(中略)――――


ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が確実に、ゆったりと
流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、
それは、天と地の差ほど大きい。」


星野道夫旅をする木