ラジオで好みの曲ばかりかかる時は何となく得した気分。



「筑波嶺に 雪かも降らる いなをかも かなしき児(こ)ろが布乾さるかも」
(筑波嶺に雪が降ったのかな。いや、違うかな、愛しいこの娘が、織り上げた布を
乾かしたのかな)-----東歌・常陸国


多摩川に さらす手作りさらさらに なにそこの児のここだかなしき」
(多摩川にさらす手織りの布のように、さらさらに、なぜこの娘はこんなにも
愛しいのだろう)-----東歌・武蔵国



万葉集にはいくつか東歌が入っているけど、こういう馬鹿みたいに単純な
恋の歌はいいなと思います。古今や新古今よりも、万葉集に収められた
実に単純で技巧もないけど生き生きとした歌の方が好きです。